昭和に建てられた古い住宅をリノベーションした本物件、S邸。当初、建売リフォーム物件としての販売を予定していたところ、オーナー・Sご夫妻に立地や予算等の条件を気に入っていただき、それ以降はご夫妻のご要望に添ったリフォームとして実行。今回は、そんなリフォームが完成したばかりのお二人にお話をうかがいました。モルタル塗りからサイディングに刷新した外観は、広縁のあった道路側を新しい壁とサッシに改修するなど、1階部の開口面をすべて新しいものに変えたことで、一見、新築のような外観になったのも、フルリフォームの醍醐味です。また、ブロック塀の取り囲む古い外構も、玄関前にあった庭も含めて撤去し、外観同様、現代的な使い勝手を重視した駐車スペースに生まれ変わりました。

そんな外観以上に生まれ変わった家の内部では、多様な収納スペースにこだわったご主人のリクエストに応えるべく、まずは玄関スペースの拡張をおこないました。玄関横にあった旧トイレ分のスペースも土間と大容量シューズクロークとして活用しつつ、一方で階段上り口の向きを変更して、旧広縁のあった客間へ通じる同動線と兼用となる広い玄関フロアを新設しました。旧1階部にあった4つの居間（和室）と台所を含む板の間のスペースを再構成した1階の間取りは、約18帖のLDKを中心に、7.5帖の主寝室と、旧広縁の部屋のあった4.5帖の客間からなる居住空間と、各部屋に新設された大容量の収納スペースに生まれ変わりました。ご希望の間取りが4LDKということもあり、2階2部屋を含めて機能面も充実させて実現することができました。

動かせない柱や梁、天井高の低さなど、リフォームゆえの限定条件もありましたが、例えば柱は、新しいLDKのアクセントとして。天井高は可能な限り高くした上で、奥さまが選ばれた明るい色調のインテリアで空間アレンジして広さを演出しました。そんな奥さまご希望のキッチンも、場所を取られがちな冷蔵庫は専用場所を設けた上で、パントリーを含めた広いワーキングスペースを確保。一方、ご主人肝いりの2階趣味部屋には、広い居住空間とフリーに使える収納を搭載。隣接するお子様の部屋はお子様自ら選ばれたインテリアカラーの効果で、陽当たりのよい室内をさらに明るく心地よくなりました。旧家屋ならではの広いスペースを利用して、リフォームならではの自由度で実現した注文住宅のような家づくり。S様ファミリーの新生活を豊かに、そして便利に支える住まいが完成しました。