高台の閑静な住宅地にたつリフォームハウス、M邸を紹介します。元々はリフォーム完了後に売り出す予定でしたが、改修中に施主様に物件の条件等を気に入っていただき、そこからはご夫妻の要望を取り入れたリフォームをおこないました。ベースとなった物件は2階建住宅。部屋数の多い1階部に対し、2階は居室ひとつと屋根裏部屋のみという1階重視の構造が特長です。玄関および動線（廊下）が既存の時点で改修済みだったこともあり、それら以外の範囲を平屋的な構造と既存の動線を生かしながら、細かく区切られていた間取りを使いやすく刷新しました。

奥さまの「広いLDKが欲しい」という希望もあり、旧ダイニングキッチンと茶の間（和室）に加え、隣接していた旧和室と広縁という4つの空間を取り込んだL字型の広々としたLDKに。フローリングで統一した旧ダイニングキッチンと茶の間に対し、旧和室部分は新たに琉球畳で和風モダンにアレンジ。広縁部分はお子様たちの遊戯スペースにするなど、使い分けられる多機能さがM邸LDKの魅力です。また、壁付けから変更した対面キッチンも、「子どもたちの様子を見ながら家事がこなせるし、広いLDKの全てが見渡せてとにかく便利」と喜んでいただけました。
LDK以外では、旧応接間を子供部屋に変更。約10帖の細長い空間を生かして、将来的には真ん中で間仕切れるよう2ドア仕様に。その子供部屋（旧応接間）と繋がっていた南側の和室は、新たに壁を設けることで独立したご夫妻の寝室にしました。南北を貫く廊下を挟んで、LDKのある西側が家族共有の空間に、そして子供部屋と寝室のある東側がプライベート空間として使い分けられているのも、1階部が広いM邸ならではです。

そして2階で唯一の洋室は、ご主人の書斎にアレンジ。映画鑑賞が趣味というご主人らしく、スクリーンがセッティングされた趣味部屋っぽさが魅力的です。書斎に隣接するLDK部分の天井裏となる収納部分はシーズン別の用品等、家族の荷物を一手に引き受ける7.3帖の大容量サイズ。その手前の小屋裏収納は、お子様たちの専用スペースとして開放。空模様クロスの遊び感覚にあふれる空間に仕上がりました。細かく分かれていた既存の間取りをご家族の暮らし向きに合わせてシンプルにまとめた今回のリフォーム。間取りごとに明確な役割を与えることで、広いけれど多機能で飽きのこない住まいに生まれ変わりました。